
便秘
便秘
便秘は、排便の回数や便の状態に異常が生じる状態を指します。通常、成人は1日に1回以上の排便がありますが、便秘の場合は排便回数が減少する、あるいは排便に時間がかかる、または硬い便が出るなどの症状が現れます。便秘は、食生活や生活習慣の乱れ、ストレス、運動不足などが原因となることが多いですが、場合によっては消化器疾患や内分泌疾患、神経系の問題が関与していることもあります。便秘は、単なる不快感にとどまらず、長期間続くことで体調不良や生活の質の低下を引き起こすことがあります。
過敏性腸症候群(IBS)は、腸に炎症が見られないにもかかわらず、腹痛や便通の異常が繰り返し現れる疾患です。便秘型(IBS-C)では、便秘が主な症状として現れます。IBSはストレスや食生活が影響することが多く、腸の運動異常が原因とされています。
大腸がんは、大腸の腫瘍が便通に影響を与えることで便秘を引き起こすことがあります。特に腫瘍が腸管を狭窄させると、腸内の通過が遅くなり、便秘が生じます。便秘が長期間続いたり、急に症状が悪化した場合や血便を伴う場合は、大腸がんを疑う必要があります。
直腸脱は、直腸が肛門から脱出する状態です。これは、便がうまく排出できなくなる原因となります。特に高齢者や便秘が長期間続いた人に見られることがあります。直腸脱のために排便が困難となり、便秘が悪化することがあります。
虚血性大腸炎は、大腸への血流が不十分になることで腸内に炎症を引き起こす疾患です。血流の不足が腸の機能に影響を与え、便秘が生じることがあります。高齢者や動脈硬化がある人に多く見られる疾患です。
甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンの分泌が不足することで新陳代謝が低下し、腸の動きが鈍くなります。これにより便秘が引き起こされることがあります。甲状腺機能低下症は、便秘だけでなく、倦怠感や体重増加、寒がりなどの症状も伴うことが多いです。
糖尿病は、長期的に血糖値が高い状態が続くと、神経に障害を引き起こすことがあります。これにより腸の神経が影響を受け、便秘が発生することがあります。糖尿病に伴う便秘は、腸の動きが鈍くなることによるものです。
パーキンソン病は、神経系の疾患で、運動障害を伴うことが知られています。腸の運動をコントロールする神経にも影響を与えるため、便秘が発生することがあります。パーキンソン病患者では、腸の蠕動運動が低下し、便秘が生じることがあります。
症状や生活習慣を詳しく聞き取ります。便秘の種類や、便通の頻度、便の状態(硬さや形状)、腹痛の有無、その他の症状(腹部膨満感や便意不完全感など)を確認します。また、便秘に関わる病歴や家族歴も重要な情報です。身体診察では、腹部の触診を行い、腹部の膨満や圧痛、腸の蠕動音の有無などをチェックします。
直腸診は、肛門から指を使って直腸の状態を確認する方法です。直腸脱や腫瘍の有無を確認するために行われます。また、便秘の原因として直腸に便が詰まっている場合、直腸診でその状態を確認できます。
便潜血検査は、便に血液が混じっていないかを調べる検査です。便に目に見えない程度の血液が含まれている場合、大腸がんやポリープなどの疾患が疑われます。便秘が長期間続き、血便が見られる場合は、早期の大腸がんを発見するために行われることがあります。
大腸内視鏡検査は、直腸から大腸の内部を観察する検査で、便秘の原因として大腸がんやポリープ、腸の狭窄などが疑われる場合に行われます。内視鏡を使って腸内を直接観察し、異常があれば生検を行うこともあります。
腹部超音波検査では、腹部に超音波をあてて腸や内臓の状態を画像で確認します。便秘が原因で腸の通過が遅れている場合、腸内にガスや便がたまり、腸壁が膨らんでいるのが確認できることがあります。この検査は非侵襲的で、特に高齢者や妊婦にも適用できる検査方法です。
便秘が内分泌や代謝の異常によるものである場合、血液検査が役立ちます。甲状腺機能低下症や糖尿病などが便秘を引き起こすことがあるため、甲状腺ホルモンや血糖値を測定することが重要です。鉄分不足や電解質の異常も便秘の原因となることがあります。
腹部単純X線検査は、腸の形態や便の貯留状態を確認するために使用されることがあります。便秘によって腸内に便がたまり、腸が拡張している場合には、X線でその状態が確認できます。
上部消化管内視鏡検査は、便秘が消化管の上部(胃や食道)に関連している場合に行われることがあります。胃の疾患(例えば胃潰瘍や胃食道逆流症)が便秘に影響を与えることがあるため、異常がないかを確認します。
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