体重減少とは

体重減少は、予期しない体重の減少を指し、通常、体重が急激に減少する場合や、食事量が減ったり、消化不良が続いたりするときに見られる症状です。体重減少の原因は多岐にわたりますが、一般的に体重が5～10％以上減少する場合は、何らかの健康上の問題が関与している可能性があります。特に急激に体重が減少する場合、深刻な疾患が隠れていることが多いため、医師の診察を受けることが重要です。

体重減少の考えられる疾患

体重減少は多くの疾患や健康状態と関連しています。以下に、体重減少を引き起こす代表的な疾患を紹介します。

消化不良（ディスペプシア）

消化不良は、食べたものがうまく消化されず、腹部膨満感や不快感、食欲不振が伴います。消化不良が長期化すると、必要な栄養素が吸収されにくくなり、体重減少が起こることがあります。

胃潰瘍・胃がん

胃潰瘍や胃がんなど、胃の病気は食欲不振や腹痛を引き起こし、結果として食事量が減少し、体重が減少することがあります。特に胃がんでは、進行するにつれて食べ物の摂取が困難になり、急激な体重減少が見られることがあります。

過敏性腸症候群（IBS）

過敏性腸症候群は、腸の過敏性が高まり、腹痛や下痢、便秘が繰り返し発生する疾患です。この症状が長期化すると、栄養吸収が不十分になり、体重減少が見られることがあります。

膵臓疾患（膵炎や膵臓がん）

膵臓疾患は、消化酵素の分泌が正常に行われなくなるため、食べ物の消化吸収が不完全になります。膵炎や膵臓がんなどは、体重減少を引き起こす原因となることがあります。

吸収不良症候群

吸収不良症候群は、腸が栄養素を十分に吸収できない状態です。慢性的な下痢や脂肪便、腹痛を伴うことがあり、これが原因で体重が減少することがあります。

甲状腺疾患（甲状腺機能亢進症）

甲状腺機能亢進症（バセドウ病）は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される疾患で、代謝が亢進します。このため、食事量が増えても体重が減少することがあります。さらに、手の震えや動悸、発汗が伴うことがあります。

糖尿病

糖尿病では、血糖値が高くても、体がエネルギー源であるブドウ糖をうまく利用できません。その結果、体は脂肪や筋肉を分解してエネルギーを得るため、体重減少を引き起こすことがあります。

副腎疾患（クッシング症候群）

副腎が過剰にホルモンを分泌するクッシング症候群では、体重の増加が一般的ですが、逆に体重減少を引き起こすこともあります。特に、食欲が減退し、体がエネルギーをうまく使えなくなることが原因です。

体重減少時の検査方法

体重減少が続く場合、原因を特定するための検査が必要です。以下は、体重減少に対する代表的な検査方法です。

血液検査

血液検査は、栄養状態やホルモンバランス、感染症の有無、腫瘍マーカーを調べるために有効です。糖尿病や甲状腺疾患、肝機能、腎機能を確認することができます。

画像検査

• 腹部超音波（エコー） 腹部エコーは、消化器系の疾患（胃潰瘍、膵炎、胆石など）を調べるために使用されます。腫瘍や異常がないかを確認するために重要です。

• CTスキャン CTスキャンは、消化器系の疾患やがん、内臓の異常を検出するために用いられます。特に腫瘍や転移の有無を調べるために使用されます。

内視鏡検査

内視鏡は、胃や大腸の内部を観察するために使用されます。胃カメラや大腸カメラを通じて、がんや潰瘍、炎症の有無を確認します。