西大路五条もとよしクリニック

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消化器内科

Medical

Medical消化器内科

消化器内科では主に口から肛門までの消化管(食道・胃・小腸・大腸)や肝臓、胆のう、すい臓の病気を診療いたします。これらの臓器に異常が起こるとさまざまな症状が出てきます。当院では血液検査、内視鏡検査、腹部エコー検査を中心とした診察を行っています。必要に応じて、高次機能病院(京都市立病院など)と連携して精密検査、治療を行ってまいります。

次のような症状がある方はお気軽にご相談ください。

 

・胃の痛み、胃のもたれ

・胸やけ

・呑酸、げっぷ、はきけ

・お腹の張り、腹痛

・便秘、下痢

・のどのつかえ、のどの違和感

・食欲の低下、体重減少

・黄疸(からだが黄色くなる)

・黒い便が出る、便に血が混じっている

・検査異常(便潜血反応陽性、ピロリ菌陽性、肝機能異常など)

Medical主な疾患

◎胃潰瘍/十二指腸潰瘍

潰瘍(かいよう)とは、粘膜が炎症を起こして組織に深い傷ができ、えぐられた状態のことを言います。 胃・十二指腸潰瘍は、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染や痛み止めとしてよく使用される非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などが原因で粘膜が傷害され潰瘍が発症します。

 

◎ヘリコバクター・ピロリ菌について

ピロリ菌は胃がん、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃炎等の様々な疾患を引き起こします。

内視鏡検査や、血液検査、尿検査、尿素呼気試験という呼気を使用した検査で感染の有無を確認し、ピロリ菌が確認された方は、抗生剤でピロリ菌を除菌治療します。除菌により潰瘍の再発予防、胃がんのリスク低下が期待されます。

 

◎逆流性食道炎

強い酸性の胃液などが食道へ逆流し、食道に炎症が起こって、胸やけ胸の痛みなどの不快な症状が出る病気です。繰り返すと食道に潰瘍ができたり、粘膜がただれたりします。原因は、ストレスや生活習慣によることもありますが、加齢により、胃と食道の間の筋肉が弱まるとなる場合があります。胃に負担になるような食事を控え、また、腹部をしめつけないこと、前屈姿勢を避けることなど生活習慣を見直すことでも緩和されます。

 

◎機能性ディスペプシア

機能性ディスペプシアとは、胃の痛みや胃もたれ、膨満感などのさまざまな症状が慢性的に続いているにも関わらず、内視鏡検査などを行ってもはっきりとした異常がみつからない病気です。決して珍しい病気ではなく、だれもがかかる可能性のある病気で、つらい症状により生活の質を大きく低下させてしまいます。

酸分泌抑制薬や消化管機能改善薬または漢方薬などを用いて、患者様一人ひとりに適した治療を行います。

 

◎過敏性腸症候群

血液検査や大腸内視鏡(大腸カメラ)検査などを施行しても大腸に腫瘍や炎症などの器質的な疾患がないにも関わらず、おなかの違和感や腹痛があり、これに関連して便秘や下痢などのお通じの異常が数か月以上続く状態の機能性の病気です。日本人の約10人に1人が罹患する疾患と言われています。10~30代の女性に多く、年齢とともに減少していくことがわかっています。命に関わる病気ではありませんが、腹痛や便秘・下痢、不安感などの症状のため日常生活に支障をきたすことが少なくありません。

原因として考えられることは、腸の運動機能と腸の知覚機能の障害があります。腸は食べ物を消化吸収するだけではなく、便として体外に排出する機能があります。これには腸と脳による運動機能と知覚機能が働いていますが、過敏性腸症候群の患者さんはストレスなどにより腸の運動機能のコントロールがつかず、痛みとして感じやすくなる知覚過敏の状態にあると言えます。これらを調節する薬を投与することにより改善されることもありますが、抗不安薬などの薬に効果がある場合もあります。

 

◎便秘

当院では、便に水分を含ませるやさしい便秘薬や、漢方薬を併用して患者様一人ひとりに適した便秘治療を探していきます。

毎日、良い便が出ることを最終目標として、薬を少しずつ調整していきましょう。

診察を通して原因を探り、まずは内服薬で治療を開始して、もし改善なければ、内視鏡検査を相談いたします。

 

◎食道がん

食道がんは、初期には自覚症状がないことが多く、進行すると食道がしみるような感覚、食事がつかえるような感覚、胸の痛みや体重減少などの症状が出現します。

進行が非常に速い厄介ながんですが、初期の段階で発見することができれば、内視鏡治療で治癒が望めます。よくお酒を飲む人や喫煙習慣のある人は、専門医による定期的な内視鏡検査をおすすめします。

 

◎胃がん

胃がんは、日本人に多いがんの一つです。早期の胃がんは、内視鏡治療のみで完治するため、早期発見が大変重要です。早期胃がんの内視鏡診断に精通した専門医による定期的な内視鏡検査をおすすめします。

 

◎大腸がん

近年、日本人の大腸がん罹患率(かかる人の割合)は増加の一途をたどっています。平均寿命の高齢化に加え、食生活や生活習慣の欧米化が原因と考えられています。大腸がんは治療効果が高く、早期であればほぼ100%完治するため、早期発見が大変重要です。大腸がんも他のがんと同様、初期の段階では無症状であるため、早期発見のためには定期的な内視鏡検査が非常に有効です。

特に血縁者に大腸がんにかかった人がいる方や40歳を過ぎた方には、定期的な内視鏡検査をおすすめします。

 

◎肝がん

B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスによる慢性肝炎から肝硬変を経て生じることが多い疾患です。最近は、B型肝炎やC型肝炎ウイルスが経口の抗ウイルス剤により完治またはコントロール可能となり、徐々に減少していくことが予想されます。しかし、60歳以上の既に肝がんの既往がある方やB型肝炎やC型肝炎の治療がされていない方は高リスク群として、きちんと経過観察されなければなりません。今後は増加されると考えられる非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)からの肝がんやアルコール性肝障害や肝硬変の患者さんに対する血液検査や腹部超音波検査による経過観察が必要となります。また、糖尿病に罹患している人は肝がんの高リスク群のため、定期的な腹部超音波検査が必要です。

 

◎脂肪肝

食べ過ぎや運動不足のために余った糖質や脂質が中性脂肪に変わり、肝臓に過剰にたまり、脂肪が肝臓全体の30%以上を占めるようになった状態の病気です。

多くはアルコールの過剰摂取や生活習慣に関連した肥満・糖尿病・脂質異常症・高血圧などを伴っていることが多いため、メタボリックシンドロームの肝臓病と言われています。日本人では男性の4割が罹患していると言われ、肥満体型ではない痩せた人にも見られます。2~3㎏の体重増加でも肝臓に脂肪がたまる可能性があります。症状に現れることはなく、血液検査で肝機能障害として異常値を示すことが多い疾患です。脂肪肝により、狭心症や心筋梗塞などの心疾患の合併率が高いだけではなく、全身でインスリンが効きにくくなる「インスリン抵抗性」の状態となります。これにより糖尿病の発症が高くなります。

アルコールによる脂肪肝の場合は、アルコール量を減らすことや禁酒により改善傾向を示すことが多いです。アルコールを摂取しないまたは少量摂取している人(1日あたり純エタノールとして男性で30g未満、女性で20g未満)による脂肪肝を非アルコール性脂肪肝(nonalcoholic fatty liver disease:NAFLD)と言われるようになり、非常に増えてきました。このなかの80~90%は長い経過をみても脂肪肝のままで病気は進行することがなく、単純性脂肪肝と呼ばれます。しかし、10~20%は徐々に進行して肝硬変や肝がんを発症することがあります。この脂肪肝のことを非アルコール性脂肪性肝炎(nonalcoholic steato-hepatitis:NASH)と呼ばれます。

診断は血液検査、超音波検査、CT検査などを行いますが、NASHの確定診断は肝生検(肝臓の組織を超音波で見ながら採取する検査)をしないと確実に診断することはできません。

治療の原則は、食事療法と運動療法で生活習慣を改善することにより、背景にある肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧を是正することです。薬物療法として抗酸化作用のあるビタミンEやインスリンの効果をよくする糖尿病の薬などが使用されることもあります。

 

◎B型肝炎

成人は免疫機能が確立されているため、B型肝炎ウイルスに感染しても、多くの場合は不顕性感染と呼ばれる感染が成立せずに自然に治癒します。一部の人で発熱・倦怠感・肝機能障害・黄疸などの急性肝炎を発症し、一過性の感染を経て治癒します。しかし、免疫機能が未熟な乳幼児・透析患者・免疫抑制剤を使用している方などがB型肝炎ウイルスに感染すると、免疫機能が反応せずにウイルスが排除されずに持続した感染状態になります。このウイルスを体内に保有している人を「キャリア」と呼びます。キャリアの人の約90%は一般的に、無症候性から肝炎沈静期へと移行し、その後、無症候性キャリアのまま生涯経過します。

しかし、約10%の人は慢性肝炎を発症し、肝硬変・肝細胞がんへと進展する危険性があります。そのため、定期的な血液検査と腹部超音波検査によりフォローしていく必要があります。治療が必要な人は、B型肝炎のウイルス量が多い高ウイルス状態で血小板低値や肝機能障害を認める方です。または、免疫抑制剤の使用や抗がん剤を使用している方です。一般的に最近は抗ウイルス剤(核酸アナログ製剤)を使用することでウイルスをコントロールできることが多くなりました。

 

◎C型肝炎

C型肝炎に感染すると、急性肝炎を発症する場合(顕性感染:症状が現れる)と自覚症状がない場合(不顕性感染)があります。急性肝炎は、感染後数か月の潜伏期間を経て、倦怠感や食欲不振、吐き気などの症状が現れ、一過性に肝細胞に炎症が起き、黄疸の出現が起こることもありますが、数か月以内にウイルスは排除され治癒します。急性肝炎も不顕性感染の場合もウイルスは自然に排除され、免疫を獲得して再度C型肝炎ウイルスに感染することはないとされ一過性感染で済みます。この割合は約3割です。

約7割の方が持続感染となり、感染したウイルスが身体から排除されず、肝臓の中で住みつくことで慢性肝炎を発症します。慢性肝炎は通常6ヵ月以上肝炎が続いている状態のことをいいます。症状はなく、進行は緩徐のため5年から10年かけてゆっくりと線維化が進みます。線維化が進むにつれ、肝がんの発症率もあがります。

このため、定期的な血液検査と腹部超音波検査は必須です。

以前は肝生検(肝臓の組織を超音波で見ながら採取する検査)で肝臓の線維化を診断していましたが、最近では血液検査で大体の予測ができるようになりました。この分野の治療は目まぐるしく、以前は6~12カ月の副作用も多いインターフェロン+αの治療で50~70%の治癒率でしたが、最近は副作用が少ないインターフェロンフリーの経口剤の内服を2~3カ月することにより90~95%以上の治癒率が得られるようになりました。

 

◎胆石症

胆石は胆のうや胆管内にできた結晶で、胆のうにある場合は胆のう結石症、胆管にある場合は総胆管結石症、肝臓内の胆管にある場合は肝内結石症と呼ばれます。日本人は胆のう結石症が最も多く約80%を占めます。このうち60%はコレステロール結石と言われています。胆管結石はカルシウム・ビリルビン結石が主体です。胆石は40歳以上の女性に多く、有病率が男性と比べると1.5倍です。これは女性ホルモンとの関係があると言われています。

胆石のできる原因は、胆汁中に溶けているコレステロールやビリルビンなどの物質が過剰に排泄されることや胆道感染を起こすことにより、胆汁中に溶けきれなくなり結晶になり形成されます。

症状は胆のう内や肝内胆管内にある場合は無症状のことが多いですが、時折、高脂肪の食事を摂取した時に、胆のう結石で右上腹部痛や吐き気・嘔吐などが生じることがあり、血液検査により肝機能障害を起こすことがあります。炎症反応がない場合は胆石発作といい、数日の安静で改善することが多いです。炎症反応や発熱を伴う場合は胆石性胆のう炎となる場合があり、緊急処置が必要な場合もあります。胆管結石の場合は、無症状のこともありますが、通常は胆管を塞ぐため、上腹部に疝痛が生じます。これに加え、発熱や黄疸などの肝機能障害も出現するため、総胆管結石性胆管炎として緊急の処置が必要なことが多いです。

通常、胆石症の診断は腹部超音波検査で行われます。超音波は非常に感度が高く、診断には不可欠と言えます。治療に関しては、コレステロール結石の場合は、結石溶解が期待できる薬物を使用することが多いです。

 

◎潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎は、若年者から高齢者まで幅広くみられる、大腸粘膜にただれや潰瘍を起こす病気です。主な症状は繰り返す粘血便(粘液と血液が混じる便)、腹痛などがあります。検査方法には、血液検査や便培養、大腸内視鏡検査などを用いますが、感染性腸炎との鑑別が重要になります。治療には5-アミノサリチル酸製剤(5-ASA)、ステロイド、免疫調節薬、生物製剤(抗TNF-α製剤)などの薬が用いられます。多くの場合、症状を落ち着かせることができますが、この病気は、急に再燃することがあります。このため症状のない寛解期であっても、5-ASA製剤含めた治療の継続が必要です。さらに、発症後7-8年をすぎると大腸がんのリスクもあり、定期的な大腸内視鏡検査によるスクリーニングが重要となります。

 

◎クローン病

クローン病は、口から肛門までの消化管、すなわち食べ物の通る道に慢性の炎症を起こす病気ですが、多くは小腸や大腸に起こります。発症は10代後半から20代の若い人に多く見られます。クローン病では、消化管の壁の内側から外側まで全層性に炎症を起こし、深い潰瘍を作り、狭窄や瘻孔(消化管と消化管、消化管と腹壁や肛門のまわりの皮膚などにできてしまったトンネルのようなもので、肛門の周りにできると痔瘻と呼びます)などが起こります。

主な症状は腹痛・下痢・肛門病変(痔瘻や肛門周囲膿瘍;肛門のまわりに膿が溜まったりします)などです。肛門病変をきっかけに診断されることもしばしばあります。

診断は大腸、小腸の内視鏡検査や造影検査、上部内視鏡検査、組織検査が行われます。治療には、5-ASA製剤、ステロイド、免疫調節薬、栄養療法と生物製剤があります。新しく登場した生物製剤(抗TNF-α製剤)により、クローン病のかたの生活の質が劇的に改善されることが多くみられるようになりました。さらにヒト型抗IL-12/23p40モノクローナル抗体製剤や副作用の少ないステロイド薬も登場してきています。診断も治療も難しい疾患ですが、患者さん一人一人に合った治療を選択いたします。